ISO14000シリーズ(環境マネジメントシステム)の解説

  環境問題への取り組みに対し各界の関心が高まる中、経済社会の重要な一端を担っている企業にも、法令遵守だけではなく、さらに積極的な自主的環境配慮が求められています。
 このような動きの中、1996年秋、国際標準化機構(ISO)において、ISO14000シリーズ(環境マネジメントシステム)をつくり上げました。国内でも、この国際規格の制定に合わせて、JIS規格が制定されました。
 今後、国内の企業の対応が海外で取引をする際、重視されるといわれているISO14000ですが、ここでは環境管理・監査制度の考え方や、ISO14000シリーズの概要についてご紹介します。


Q1 環境管理・監査制度とはどういう考え方を指すのでしょう?
Q2 ISOとはどういう組織でしょう?
Q3 ISO14000シリーズとは?
Q4 ISO14000シリーズ策定状況は?
Q5 ISO14000シリーズの採用のメリットは?
Q6 環境マネジメントシステムの審査・登録・認証は?

Q1 環境管理・監査制度とはどういう考え方を指すのでしょう?

A 企業が事業活動を行うにあたっては、各国の法令で、環境保全を目的に一定の規制措置が行われており、国内法では大気汚染防止法や水質汚濁防止法などがこれにあたります。
 しかし、企業はこういった規制法を遵守するだけでいいのでしょうか。この議論は1990年代はじめ頃から欧州を中心に起こり、その結果、「環境管理・監査制度」が提案されました。
 すなわち「環境管理」とは、企業が法令の規制基準を遵守するにとどまらず、自主的・積極的に環境保全のための行動をとることを指します。
 そして「環境管理システム」とは、各企業が、(1)環境保全のための方針・目標等を定め、(2)これを実行・記録し、(3)その実行状況を点検して方針を見直す、という一連の行動を指しています。
 また、こうした一連の作業の中で、自主的な環境管理に関する計画等の実行状況のチェック(点検)にあたる部分が「環境監査」と呼ばれるものです。

Q2 ISOとはどういう組織でしょう?

A ISOとは「国際標準化機構」の略称で、1947年に設立された全世界的な非政府間機構です。国際取引を円滑にするため、電気・電子分野以外の産業分野の国際規格を定めており、各国内を代表する標準化機関(日本は日本工業標準調査会)が参加しています。96年1月末時点で、ISOの参加国数は118ヶ国にのぼり、ISOで作成された国際規格は累積で10,189件となっています。

Q3 ISO14000シリーズとは?

A 企業にも自主的な環境管理を進めるにあたり、「環境管理・監査・評価等の国際規格の策定が必要」との動きを受け、ISOがその作業を実施することとなり、93年から策定のための環境マネジメント専門委員会(TC207)を設置し、検討を続けていました。TC207では、環境マネジメントシステム、環境監査、環境ラベル、ライフサイクルアセスメント、環境パフォーマンス等の環境マネジメント分野での国際規格の策定を行っており、その一連の国際規格番号から、総称して「ISO14000シリーズ」と呼んでいます。その概要は以下のとおりです。

(1)環境マネジメントシステム(規格番号14001、14004)
組織自ら環境方針を設定し、計画立案、実行・運用、点検・是正措置、見直し、という一連の行為を継続的に実施できる仕組みを構築するためのもの
(2)環境監査の指針(規格番号14010〜14012)環境監査の一般原則に関する規格、監査の実施手順に係わる基準、監査実施者の資格要件及び監査計画に関する規格
(3)環境ラベル(規格番号14020〜14025)市場原理を利用し、類似の商品群から環境に配慮した商品に優先度を与えることを目的として基準を定めるもの
(4)環境パフォーマンス評価方法(規格番号14031)組織の環境行動、実績を定性的・定量的パラメータを使って評価する手法に関する規格
(5)ライフサイクルアセスメント(規格番号14050)製品の環境負荷を原料調達段階から廃棄に至る各段階毎に分析し、製品の環境負荷の改善を目的とする手法の規格

Q4 ISO14000シリーズ策定状況は?

A 発行されたISO14000シリーズは、上記の(1)環境マネジメントシステム及び(2)環境監査の指針についての以下の5規格です。これを受けて通商産業省としては、国際規格と整合性のとれた日本工業規格(JIS)を制定しております。なお、JISの番号は、ISOと同じ14000番台としております。

【ISO:96.9.1発行、JIS:96.10.20制定】
 ○ISO14001(JISQ14001)環境マネジメントシステム−仕様及び利用の手引き
 ○ISO14004(JISQ 14004)環境マネジメントシステム−原則・システム及び支援技法の一般指針
【ISO:96.10.1発行、JIS:96.10.20制定】
 ○ISO14010(JISQ14010)環境監査の指針−一般原則
 ○ISO14011(JISQ14011)環境監査の指針−監査手順−環境マネジメントシステムの監査
 ○ISO14012(JISQ14012)環境監査の指針−環境監査員のための資格基準

Q5 ISO14000シリーズの採用のメリットは?

A 企業にとって、これらの規格を採用することは、

(1)環境問題への取り組みが経営システムの一つとなり、その活動がより一層活性化され、自主的、主体的なものとなること、
(2)組織の中における責任体制・業務体制が明確になること、徹底した文書化等により業務の体系化が図れること等既存のシステムの改善につながること、さらに、その結果として環境に対する意識、パフォーマンスの向上が期待されること、
(3)審査登録制度に参加することによって公平な評価を受けることができ、環境に配慮した企業であることを客観的に明示できるようになること、
(4)国際的に整合性の図られた審査登録制度における審査登録を取得することによって、国際ルールに沿った形で、我が国企業の環境保全活動を国際的に示すことが可能となること、等につながり、環境保全活動の一層の向上に寄与するものと期待されます。また、エネルギーや資源の有効活用、効率向上による利益増大、廃棄物処理・有害物質管理コストの抑制・削減、環境配慮型製品の提供による市場での比較優位等の直接的なメリットが得られることに加え、このような企業の環境に対する自主的な取り組みを通して、地球環境保全のキーワードである「持続可能な発展」につながることにもなります。
Q6 環境マネジメントシステムの審査・登録・認証は?

A 企業(組織)はまず、審査登録機関に登録をして審査を受ける、そして審査登録機関が外部監査をした企業(組織)を登録し更に上部の認証機関である、国ごとに一つだけ認められている認定機関((財)日本適合性認定協会(JAB))に登録申請し認定されると、国内外、国際的にも認証が完了したことになる。(JABにおける認定機関(審査登録機関)は(株)日本規格協会・高圧ガス保安協会・(財)日本電気用品試験所・日本検査キューエイ(株)・日本化学キューエイ(株)等となっている(最新の審査登録機関))


|ISOワールドニュース|
ISO14000審査登録リストISO14000審査登録数推移
|ISO14000都道府県別認証登録状況

|詳しくはこちらへ(工業技術院標準部のISO14000ホームページ)|